平成27年度昭島病院病院指標

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞のICD10別患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	0	34	29	41	96	122	244	491	574	237

定義
　　2015年度退院患者さんの人数を年齢階級別（10歳刻み）に集計しました。年齢は入院時の満年齢です。

特徴
　　当院の入院患者さんは、70歳以上の占める割合が69.7%、80歳以上が43.4％と高齢の患者さんが多く占めています。
　比較的若い世代である40歳代以下では、鼠径ヘルニア・肺炎・外傷などであり、70歳以上では、大腿骨近位部骨折・大腸ポリープ・
　誤嚥性肺炎、80歳以上では、誤嚥性肺炎・大腿骨近位部骨折・腎尿路感染などです。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード

内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040081xx99x00x	誤嚥性肺炎	73	25.5	21.7	0.5	86.4
110310xx99xx0x	腎臓または尿路の感染症	59	17.3	12.6	0.1	79.4
K7211-----tan3	大腸ポリープの手術（内視鏡的ポリープ切除術）	55	3.0	2.8	0	69.1

　　内科で最も多い症例は、誤嚥性肺炎などの呼吸器疾患です。
　誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液などが気管に入ってしまい、その食べ物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こる
　肺炎です。誤嚥性肺炎の殆どは、緊急入院であり、高齢者が多く、全体の78％が80歳以上の患者さんです。
　当院では、必要に応じ言語聴覚療法士が嚥下評価を行い、燕下機能訓練（ソフト食から始める）も併せて行っております。
　（　※　ソフト食とは・・・加工した食材を魚、肉、野菜の形にして提供する）
　　２番目は、腎臓・尿路の感染症で、文字通り、尿の通る経路で起こる感染症です。比較的若い患者さんも入院されますが、
　全体の66％が80歳以上の高齢者です。診断目的で、まず膿尿と細菌尿を確認します。尿細菌培養検査では起炎菌を同定し適切な
　治療抗菌薬を調べます。適切な治療での早期治癒を目標とします。
　　3番目は、大腸ポリープです。内視鏡でのポリープのある粘膜の下に液を注入し、スネア（輪状になった電気メス）を用いてポリープを
　切除する内視鏡的粘膜切除術（ＥＭＲ）を行います。全体の約5割弱が緊急入院であり、良好な結果が提供できるよう努めて
　います。　

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	平均年齢
K634-o15--tan3	鼠径ヘルニアの手術（腹腔鏡下手術）	52	4.7	5.1	59.3
K7211-----tan3	大腸ポリープの手術（内視鏡的ポリープ切除術）	19	2.9	2.8	71.6
K7432-----tan3	痔核の手術（硬化療法・四段階注射法）	11	2.0	6.0	65.9

　　外科の手術については常に最適な治療となるよう医師と患者さんの信頼関係を重視し、入院中、退院後も同じ医師が継続して
　担当できる体制を整えています。外科全体の3割は悪性腫瘍の手術となり、早期がんに対しては、患者さんにとって負担の少ない
　腹腔鏡手術を施行しています。切除不能ながん症例には抗がん剤治療など、可能な限り予後の向上に努めています。
　外科の手術の3割弱は緊急手術になります。鼠径ヘルニア手術、ポリープ切除術、痔核手術などは短期滞在手術にて、
　短期間入院となります。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160800xx01xxxx	大腿近位骨折	76	35.2	28.7	0.1	83.0
160690xx99xx0x	胸椎、腰椎以下骨折損傷	36	22.3	21.5	0.1	73.4
160760xx97xx0x	前腕の骨折	29	4.1	5.7	0	56.9

　　整形外科での手術は外傷関連が約7割を占めています。一般的な骨折である高齢者の大腿近位部骨折や橈骨遠位端骨折は
　勿論ですが、その他の骨折や複雑な関節内骨折、骨盤骨折など、様々な四肢外傷の治療にあたっています。また、関節外科も
　得意分野であり、変形性関節症に対する人工膝関節置換術や人工股関節置換術では良好な成績を上げています。
　高齢化社会に伴い、脆弱性骨折症例だけでなく、慎重な全身管理が必要な患者さんも増えています。安全な医療の提供には、
　手術手技だけでなく周到な周術期管理が不可欠です。多職種で協働してチーム医療を実践し、良好な結果が提供できるよう努めて
　います。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

	初発					再発	病期分類基準（※）	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準（※）	版数
胃癌	8	6	8	8	5	1	UICC TNM分類	7
大腸癌	2	11	15	5	3	4	UICC TNM分類	7
乳癌	2	1	2	0	0	0	UICC TNM分類	7
肺癌	1	1	12	11	0	3	UICC TNM分類	7
肝癌	0	0	0	1	0	0	UICC TNM分類	7

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

　　５大癌と呼ばれている、胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の患者さんの数を初発のUICC病期分類別、および再発に分けて
　集計しています。

　　UICC病期分類別とは、UICC病期分類国際対がん連合によって定められたもので、3つの構成要素（Ｔ－原発腫瘍の進展範囲、
　Ｎ－所属リンパ節転移の有無と進展範囲、Ｍ－遠隔転移の有無）の評価に基づいて各癌をⅠ期～Ⅳ期の4病期に分類するものです。

　　27年度に退院した患者さんを集計し、集計期間中に複数回入院がある患者さんは、それぞれ集計しています。
　『初発』とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
　『再発』とは、当院・他院を問わず初回治療が完了後、当院にて診療した場合や、癌寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移を
　来した場合をさします。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

	患者数	平均在院日数	平均年齢
重症度 0	22	8.2	53.5
重症度 1	76	14.7	82.2
重症度 2	48	18.0	84.4
重症度 3	19	18.3	86.9
重症度 4	3	13.7	85.7
重症度 5	0
不明	0

　　市中肺炎

　　定義
　　　市中肺炎の定義として、ＤＰＣデータの入院契機病名及び最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、
　　　急性細気管支炎（ＤＰＣコード6桁が040080に相当）で、さらにその中でもＩＣＤ10コードがＪ13～Ｊ18
　　（肺炎レンサ球菌による肺炎、インフルエンザ球菌による肺炎、その他肺炎）で始まるものとしています。

　　特徴
　　　市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、成人市中肺炎診療ガイドライン（日本呼吸器学会）による
　　　重症度分類を用いて集計しています。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる
　　　肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外です。患者数は中等症が最も多く、平均年齢は軽症の患者さんが
　　　50歳ほどであるのに比べ、中等症～超重症になるほど高齢の患者さんが多くなっています。治療は、急性呼吸不全管理、
　　　薬剤投与が中心です。その他にも、最新のマスク式人工呼吸器（ＮＰＰＶ、オートセットＣＳなど）を積極的に活用し、
　　　様々な病態に応じた呼吸管理を行っています。

脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード

ICD10	傷病名	発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
G45$	一過性脳虚血発作及び関連症候群	3日以内	9	4.3	71.0	0.1
G45$	一過性脳虚血発作及び関連症候群	その他	1	22.0	88.0	0.0
G46$	脳血管疾患における脳の血管(性)症候群	3日以内	－	－	－	－
G46$	脳血管疾患における脳の血管(性)症候群	その他	－	－	－	－
I63$	脳梗塞	3日以内	31	21.9	79.7	0.1
I63$	脳梗塞	その他	2	10.5	67.0	0.0
I65$	脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの	3日以内	－	－	－	－
I65$	脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの	その他	－	－	－	－
I66$	脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの	3日以内	1	3.0	74.0	0.0
I66$	脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの	その他	－	－	－	－
I675	もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症>	3日以内	－	－	－	－
I675	もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症>	その他	－	－	－	－
I679	脳血管疾患，詳細不明	3日以内	－	－	－	－
I679	脳血管疾患，詳細不明	その他	－	－	－	－

　　定義
　　　入院中に医療資源を最も投入した傷病名のＩＣＤ10コードの上3桁で集計しています。
　　　『ＩＣＤ10コードとは』
　　　International Classification of Diseases and Related Health Problems
　　（疾患及び関連保健問題の国際統計分類）の略称で、世界保健機関（WHO）が
　　　世界保健機関憲章に基づき作成した傷病に関する分類です。
　　　現在は第10回修正（ICD-10）が採択されています。

　　特徴
　　　発症3日目以内の急性期脳梗塞の患者さんが全体の約7割を占めています。緊急性のある疾患に迅速に対応できるよう、
　　　24時間365日患者さんの受け入れ体制を敷いています。（常時ＣＴ検査など）また、発症後24時間以内の
　　　急性期脳梗塞には脳保護薬（細胞膜脂質の過敏化を抑制する薬）の点滴投与する治療を優先して実施し、
　　　入院後5日目以内に脳血管リハビリテーションを開始し早期治癒を目標とします。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード

内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K7211	内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術	59	0.7	1.4	0	69.1
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	13	10.5	25.8	0.1	78.5
K6871	内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみのもの）	13	8.2	15.4	0.1	73.8

　　27年度、内科で最も多い手術は、大腸ポリープなどに対する内視鏡的粘膜切除術（ＥＭＲ）です。
　内視鏡でポリープのある粘膜の下に液を注入し、スネア（輪状になった電気メス）を用いてポリープを切除します。
　　2番目は、内視鏡的胆道ステント留置術で、胆汁の流れを良くするため内視鏡を用いて胆道にチューブを留置します。良性胆道狭窄や
　悪性疾患に対する一時的な減黄処置としても行いますが、高齢者や手術不能な悪性胆道狭窄に対する永久的な胆道ドレナージ法
　として有用です。胆汁腸管に流れることから生理的であり、日常生活の制限がなく早期の自宅療養が可能となる利点があります。
　　3番目は、内視鏡的乳頭切開術で、内視鏡を用いてチューブを十二指腸まで挿入し、チューブの先端についている電気メスで胆管の
　出口（乳頭部）を切開して広げることにより、胆汁の流れを良くするための治療法です。高齢者や全身状態不良な患者さんの
　総胆管結石などに対して、結石を除去します。
　合併症（切開による出血や急性膵炎等）に対しては、細心の注意を払い行っています。

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	平均年齢
K634	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術	52	1.0	2.7	59.3
K7211	内視鏡的ポリープ粘膜切除術	23	0.7	3.4	72.3
K7432	痔核手術（硬化療法（四段階注射法））	11	0.0	1.0	65.9

　　鼠径ヘルニアに対しては腹腔鏡下ヘルニア修復術（ＴＡＰＰ法）。
　悪性腫瘍・がんに対しては根治治療を目標とし、手術だけでなく術前及び術後の化学療法（抗がん剤治療）やがん患者
　リハビリテーションを取り入れ在宅復帰を目指しています。
　　早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜切除術（ＥＳＤ、ＥＭＲ）、結腸がん／直腸がんでは症例に応じた手術方法の
　選択（肛門機能温存、人工肛門造設など）、病気の進行具合を検討し開腹手術と同等の治療実績が得られると判断された症例に
　対しては積極的に腹腔鏡／胸腔鏡にて手術に対応しています。
　　痔核へは硬化剤注射療法（ALTA療法）を取り入れ、短期間入院での治療が可能です。

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0461	骨折観血的手術　肩甲骨、上腕、大腿	60	5.0	48.7	0.1	84.4
K0811	人工骨頭挿入術　肩、股	29	7.4	56.2	0.1	76.8
K0463	骨折観血的手術　鎖骨、膝蓋骨、手	26	1.5	18.0	0	47.2

　　27年度の整形外科での手術件数は288件で、外傷に関連した手術が約7割を占めています。内訳として、大腿骨骨折
　観血的手術54件、大腿骨人工骨頭挿入術28件、前腕関節内骨折観血的手術21件、足関節骨折観血的手術17件などが
　上位を占め、外傷以外の手術としては、股関節と膝関節の人工関節を合わせると14件です。今後さらに高齢化が進むことにより、
　大腿骨近位部骨折に対する手術や人工骨頭置換術は、増加することが予測されます。多くの患者さんを安全に治療していく上で、
　技術の向上を図ることは勿論のこと合併症を予防し、出来るだけ術後早期離床を目標に取り組んでいます。更に、クリニカル・パスを
　有効活用でチーム医療を実践し、合目的な医療が提供できるように今後も務めていきます。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード

DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	1	0.1
130100	播種性血管内凝固症候群	異なる	9	0.5
180010	敗血症	同一	4	0.2
180010	敗血症	異なる	2	0.1
180035	その他の真菌感染症	同一	2	0.1
180035	その他の真菌感染症	異なる	0
180040	手術・処置等の合併症	同一	8	0.4
180040	手術・処置等の合併症	異なる	0

　　当院では、手術や処置など施行する際、細心の注意を払っています。
　　事前に可能な限り患者さんに説明した上で、手術や処置の同意をいただくよう努めています。

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平成27年度 昭島病院 病院指標

平成27年度昭島病院病院指標